やれ「感動の完結」だの「衝撃のラスト」だの、世間は『28年後…』で騒いでいるようですが、実にくだらない。 映画館の暗闇の中で、鼻をすすって泣いているカップルを見かけましたが、彼らは一体何に感動しているんですか?
僕はね、この映画を観て、感動どころかむしろ清々しいほどの「納得感」を得ましたよ。 なぜって? この30年間にわたるパンデミックの悲劇、そのトリガーを引いたのは、いつだって人間関係と余計な情だからです。
パンデミック? 違いますね。これは「他者への依存」という精神的な病が引き起こした、人類の自滅の記録です。 一級建築士として言わせてもらえば、基礎工事(個の自立)がなっていない家(社会)は、風が吹けば倒れる。それだけの話ですよ。
今日は、この映画がいかに「独身こそ最強」であるかを証明しているか、論理的に解説しましょう。
1. 『28日後…』:ロンドンが無人になった? それは「理想郷」だろ
最初の映画で、主人公が昏睡状態から目覚めたら、ロンドンから人が消えていたシーン。 多くの観客はあそこで「孤独の恐怖」を感じるそうですが、僕は羨望しか感じませんでしたね。
「寂しさ」と「孤独」は別物だ
想像してみてください。 ウェストミンスター橋を独占し、誰にも邪魔されず、満員電車に乗る必要もなく、スーパーで好きなだけ高級肉やヴィンテージワインを調達できる。 レジの店員の愛想笑いも、近所付き合いも、煩わしい町内会の集まりも不要。 そこに広がる静寂こそが、最高のBGMじゃないですか。まさにパラダイスだ。
システムダウン? 結構なことだ。 そもそも、人間という不確定要素(バグ)だらけの生き物が運営している社会システムなんて、いつか止まるに決まってるんです。
パニックになるのは「生活力」がないから
主人公たちがパニックになるのは、彼らが「一人では生きられない弱い人間」だからだ。
誰かに依存しないと食事ができない、誰かと話さないと精神が安定しない。そういう設計ミスの欠陥住宅のような精神構造をしているから、ああなる。 僕のように、自宅のキッチンで完璧な火入れのステーキを焼き、大音量でマーラーを聴きながら独りで過ごすスキルがあれば、あんな状況でも優雅に暮らせますよ。 まあ、オーディオを動かすための電力が確保できない点だけは、唯一の欠点ですがね。
2. 『28週後…』:諸悪の根源は「家族愛」という幻想だ
これだから結婚はしたくないんですよ。 続編の『28週後…』を見て、僕はその確信を強固なものにしました。
キス一回で崩壊するセキュリティ
安全地帯が崩壊した原因を覚えていますか? 管理責任者である夫が、感染した妻に情をかけて「すまなかった」とキスをしたからです。
ハッ……滑稽ですね。 「愛」だの「絆」だのという不確かなものが、軍隊が構築した最新鋭のセキュリティシステム(隔離壁)を内側から破壊したんです。 情に流されて濃厚接触をするからこうなる。
「結婚は人生の墓場」と僕は常々言っていますが、この映画では文字通り、キスが墓場への直行便になったわけです。 もし彼が独身で、他者に過度な期待をしない人間だったら? あるいは、過去の妻など損切りして、1.0人として生きる覚悟を決めていたら? ロンドンは平和なままだったでしょう。
「コード・レッド」の論理的正しさ
軍隊が「全員殺せ(コード・レッド)」と命じたのも、感情論を排して考えれば正解です。 感染者と健常者の区別がつかない? ならば母数をゼロにすれば解決する。
非情に見えますか? いいえ、これは構造力学的には極めて正しい判断です。 腐った柱が一本でもあるなら、家ごと解体するしかない。甘っちょろいヒューマニズムなんて、崩壊しかけたビルの前では無力なんですよ。
3. 『28年後…』:コンクリートの中性化も知らないのか
完結編で僕が一番気になったのは、ストーリーなんかより建築物の劣化具合ですね。
30年放置されたビルの「嘘」
30年もメンテナンスをしていないビルがあんな風に緑に覆われる……まあ、視覚的には「映える」んでしょうが、建築家としては見過ごせません。
厳密には、雨風に晒されたコンクリートは中性化が進みます。 アルカリ性が失われ、内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを押し割る「爆裂現象があちこちで起きているはずです。あんなに綺麗に外壁が残っているわけがない。 それに、ツタ植物が根を張れば、躯体の劣化はさらに加速する。あのロンドンの風景は、構造計算上ありえないんですよ。
……まあ、映画の演出に専門的なケチをつけても仕方ありませんがね。
「他者は地獄である」という真理
それより滑稽なのは、文明が退行した世界で、人々がまた部族(トライブ)を作って群れて暮らしていることです。 「絆」を強制される社会への逆行。 ネットもスマホもない世界で、濃密な人間関係の中で生きるなんて、拷問以外の何物でもない。
「怒り(RAGE)」ウィルス? 結局のところ、人間がストレスを感じるのは「他者」がいるからです。 サルトルも言いましたね。「他者は地獄である」と。
ウィルスなんてなくても、人間が集まればそこに「怒り」は生まれるんです。満員電車でイラつくサラリーマンを見てみなさい。あれも立派な感染者だ。 それをウィルスのせいにしているだけでしょう。
結論:僕の生活圏(テリトリー)に入らないでいただきたい
この3部作から得られる教訓はただ一つ。
「リスクヘッジをしたければ、独りになれ」
堅牢な精神的バリケードを築け
群れるから感染する。愛するから裏切られる。期待するから絶望する。 最初から一人なら、失うものも、感染するリスクもない。
僕が設計する家のように、堅牢な精神的バリケードを築き、その中で好きなものだけに囲まれて生きる。 それが、この崩壊した世界で生き残る唯一の「正解」なんですよ。
……まあ、あなたのような人には理解できないでしょうけどね。 せいぜい、SNSで「いいね」をもらって承認欲求を満たすような、脆いつながりの中で生きていけばいいんじゃないですか? もしゾンビに追われても、僕の家のインターホンは鳴らさないでくださいよ。絶対に出ませんから。
さて、僕はこれから金魚のエサやりがあるので。 もう帰っていいですよ。
桑野信介の映画採点
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- 構造的欠陥のなさ: ★★☆☆☆(コンクリートの中性化を甘く見過ぎだ)
- 独身の推奨度: ★★★★★(家族を持つリスクを教えてくれる最高の教材)
- 犬(パグ)の出演: ☆☆☆☆☆(出てこない。この映画最大の減点ポイントだ)
- 総合評価: 「結婚したくない男」の必修科目
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